痛風発作の症状とは?

痛風の関節痛は、初回発作の70%が足の親指のつけ根に起こり、発赤と腫脹を伴います。当院でも来院される患者さんの多くは、足の第1中足指節関節に起こっています。足の親指のつけ根や、アキレス腱に出ることが多く、痛いなと思っているうちに激しい発作症状となって数時間後には痛みのため動けなくなってしまう。痛みの程度は相当に激しく、ちょっとした振動でも痛みが増強するため、足先が当たらないようにぶかぶかのスノーシューズを履いて来院されるということもありました。

痛風発作イメージイラスト

足の親指のところが赤く腫れ熱がでる。このような状態が5日ぐらい続くと、そのうちに自然に痛みがおさまる。それで終わったのではなく、また同じような発作が繰り返す。このような発作を何回も繰り返しているうちに、いつも関節が軽い痛みを感じるようになり、その上、激痛発作が度々おこる、このような状態は慢性的になってきたものとなります。

痛風の原因

痛風はぜいたく病(美食者に起こる)とよばれるものであり、食料事情の乏しい戦時中などには激減するといわれています。現代では、糖尿病などと同じく患者数は多くなっています。本症は20代以降の男性に多くみられるという特徴があります。痛風は尿酸代謝障害によっておこる病気です。尿酸は、水に溶けにくい有機酸で、それが体のなかに異常にたまり、水に溶けにくいからかたまりになる、その尿酸塩結晶の刺激で結晶誘発性関節炎(痛風発作)を来す病気であると考えられています。

血中に尿酸が多くなる原因には、体質的な要因(体質的に身体の中でさかんに核酸を合成する)もありますが、尿酸蓄積の原因になるたんぱく質の多い食べもの(肉類・動物性食品)を多く摂取した場合(原発性)/尿酸を排泄するのに障害がある原因疾患(腎不全など)のある場合(続発性)があります。

東洋医学からみた痛風

東洋医学では、痛風は【風・湿・熱・痺】が合併したものと考えられています。関節痛は痺証と考えられます。痛風にみられる、炎症の3大症状、発赤・腫脹・疼痛を、東洋医学からみると、【風・湿・熱】によって経絡の流れが不通になり、痛みが生じてくると認識しています。

当院での痛風へのアプローチ法

平田式内蔵十二反応帯により脊髄レベル(脊髄・内臓)の鍼治療を進めます。

電位的な異常をともなう障害分節(デルマトーム)へセラミック電気温灸器・使い捨てはり、円皮針などを使用します。

平田式十二反応帯

痛風へのアプローチを、急性発作時と予防期で考えると、

痛風発作に関しては、鍼灸治療は非常に有効です。当院でも発作時のアプローチ経験は多数あり、施術直後の患者さんの痛みの評価NRSは(10→3、2)のように痛みの即効性は、非常に優れていると思われます。生体へのわずかな鍼灸刺激で歪んだ生体のバランスを回復させることが可能です。

予防期では、まず尿酸が大量に体内で作られないようにすることが大切で、食養生(プリン体の含有量の多い動物の肉/内臓類・いわし類など)を改めることも重要です。また経験的に東洋医学的【脾】や【膀胱】の状態を万全にすることも大切で家でのお灸のツボ指導も積極的に行っています。