更年期障害の症状とは?

40・50歳前後になると、卵巣ホルモンをはじめ各種のホルモンの分泌が乱れてくるために、様々な体調のくるいが生じてきます。人により範囲も症状の程度も違いますが、主なものを挙げると、、、

更年期障害の不眠・動悸・息切れ・のぼせ・発汗などのイラスト

・顔が発作的にほてる
・手足がとても冷える
・一時的のめまいが起る
・熱くもないのに汗がでる
・動悸や息切れ
・のどの異物感(梅干しの種がつまったよう)
・頭痛
・耳鳴り 
・腰や膝の関節痛 ホルモンの乱れによる血管運動神経障害。

更年期障害の原因

人の身体は、血管や内臓の働きを調整する神経(自律神経系)と、卵巣や副腎、甲状腺、脳下垂体などから分泌されるホルモン(内分泌系)が、両方働いて生理のバランスをうまく取ってくれていますが、一方の内分泌系が狂うと、どうしてももう一方にも影響することになります。

更年期をむかえた女性のうち、約半数に自律神経系の障害が起こるとされています。残りの半数の女性はどうしてか?というと、ホルモンの分泌が減少しても、そのマイナスを自律神経系が助けるほど強ければ、更年期障害は起こらないとされています。

当院での更年期障害へのアプローチ法一覧

• YNSA(山元式頭鍼療法)

「YNSA」は脳を刺激して、中枢神経や脳のさまざまな器官、自律神経や脳神経に大きく働きかけます。よってこれらの症状に、大きな効果をもたらすことがはっきりとわかります。

「YNSA」では、手や足など体の部位とつながる【基本点】、額にある目、鼻、耳、口につながる【感覚点】、大脳や小脳、脳幹とつながる【脳点】、心臓、胃、肝臓といった内臓につながる【Y点】、視覚や嗅覚、聴覚などの感覚や顔面の筋肉をコントロールする視神経や三叉神経、顔面神経などにつながる【12脳神経点】などを用い、さまざまな症状にアプローチします。

• 赤羽式知熱感度測定法と皮内鍼治療

皮内鍼の考案者である赤羽幸兵衛(1885ー1983)は、「知熱感度測定法」や「シーソー現象」などの研究・開発を行い、鍼灸の歴史に大きな足跡を残しました。

12の”経絡のバランス変化”を数値的に捉える測定法は、施術者と患者さんにとって、施術前後の経絡上の変動を数値により共有できるため、客観性を現す方法となります。

経絡機能のアンバランスを測定したあとは、弱っている経絡を興奮させる目的で、”皮内鍼”を使用します。”皮内鍼”は真皮中へわずかに刺し込む方法であり、極く弱い刺激を持続的に与えることができます。

• 平田式十二反応帯

平田式内蔵十二反応帯により脊髄レベル(脊髄・内臓)の鍼治療を進めます。

電位的な異常をともなう障害分節(デルマトーム)へセラミック電気温灸器・使い捨てはり、円皮針などを使用し、脊髄性の鎮痛を図ります。

自律神経の調節を目的に、【脾臓と膵臓の内分泌部に相当する帯・膀胱帯及び生殖器帯】や縦の【内分泌に関連する経絡線】を組み合わせアプローチします。

平田式十二反応帯
• 深谷式お灸法

お灸の治療にあたり、適切な経穴の検出、施灸量を考慮し、施術を行います。直接的にツボを熱刺激する際には、もぐさと皮膚の間に灸点紙シールをあて、1ミリ以下の穴を通して熱刺激を行います、多少赤くなることはあっても、目立つ痕を残すことはありませんので、ご安心下さい。

• 棒灸(ぼう灸)&MT温灸器

棒状の灸の一端に火をつけ、それを皮膚に直接つけないで、ツボに近づけたり遠ざけたりしながら、温度を加減して行う手法になります。皮膚の表面が赤味を帯びてきて(フレア現象)、体の中に温かみがしみ通るように感じたら、その時点で終了します。非常に気持ちの良いものです。気血の過不足を調整し、エネルギーの流動を図ります。

温灸器の中にねりモグサが入っています。温灸をする部位に薄い布をあて動かしながら温灸マッサージを行います。

温灸施術の道具

以上のようなアプローチ法を組み合わせて鍼灸治療します。更年期障害で苦しむ方は相当にあり、一群の症候に対し鍼灸治療の効果は目を見張るものがあります。
鍼灸による施術は、単なる対症療法ではなく、全身不調のアンバランスを調整するという特徴をもっており、その苦痛とする症候を無くして、楽に生活ができるようになるためです。