五十肩とは、40〜60歳代の退行変性を基盤として、病的変化が肩関節の一部の組織に限局することなく、周囲の軟部組織(筋・腱・靭帯・関節包・滑液包など)に広汎に及んでくるいくつかの病態を総称する臨床的な症候名です。腕を挙げたり、腕を後ろに回したりしたときに痛みを訴えることが多い。

臨床的には炎症と痛みの強い急性期拘縮が現れる慢性期に分けられます。

【鍼灸治療方針】

急性期の鍼灸治療は、傷害組織の消炎、鎮痛が主眼となります。慢性期ではそれに加えて、拘縮の進行を防ぐために循環改善を図ります。また、この期には家での運動療法をお伝えし実践していただいています。

首や腕からの関連痛も鍼灸によく適応します。また胆嚢など内臓からの関連痛による肩関節痛は、原因疾患が軽症の場合は鍼灸治療の対象となります。

鍼灸治療は、即効性があり、治療期間を短縮できる有効な手段です。

鍼灸治療は即効性があり、治療効果が優れています。

当院では、整形外科で「五十肩との診断がついた」その後にリハビリ通院中の患者さんからの鍼灸施術依頼をいただくケースが多いです。

 東洋医学的な考察を踏まえたアプローチ

2. 経絡に関連する挙上困難なケース 

臓腑の十二反応帯および縦ルートのツボへの鍼・円皮鍼などの使用。

 深谷伊三郎式お灸法

五十肩の主要な治療点の略図イラストを示しました。実際の臨床ではこのように多くのツボに施灸するわけではありません。特に硬結が強いツボ・飛び上がるほどの圧痛を示すツボなどを目安に3つのツボを割り出し、三角取穴法を施します。

 パーカッション・バイブレーター

スポーツや事故などの怪我、過去の骨折(鎖骨の骨折など)などにより組織にダメージが起こったことに起因するような挙上困難な場合には、異常な歪められたちからを取り除くため、パーカッション・バイブレーターやマグネットを使用します。

ロバート・フルフォードD.O.が開発した回転運動を上下運動に変換したマッサージ器具。

生命としての人体は、「電磁場的な存在」であるといえます。その一面として現代医学においても特定の電磁場の周波数を用いて骨や皮膚の再生の提案がされています。

組織にダメージが起こると、電流が生じ身体の組織に「傷や凹み」が残されます。本アプローチでは、異常なトラウマをみつけてチューニングし、かたよりのない状態にします。

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 YNSAによるアプローチ

「YNSA」は脳を刺激して、中枢神経や脳のさまざまな器官、自律神経や脳神経に大きく働きかけます。よってこれらの症状に、大きな効果をもたらすことがはっきりとわかります。

「YNSA」では、手や足など体の部位とつながる【基本点】、額にある目、鼻、耳、口につながる【感覚点】、大脳や小脳、脳幹とつながる【脳点】、心臓、胃、肝臓といった内臓につながる【Y点】、視覚や嗅覚、聴覚などの感覚や顔面の筋肉をコントロールする視神経や三叉神経、顔面神経などにつながる【12脳神経点】などを用い、さまざまな症状にアプローチします。