現代医学的な考え方
めまいにはぐるぐる回る(回転性めまい)と、眼前が暗くなる・ふらふらするまたはゆれる(浮動性感覚)のものがあります。回転性のものは内耳や小脳に変化が起きた場合に発症し、浮動性のものは変性疾患に多いとされています。
東洋医学的な考え方
めまいの原因について、最古の医学書『内経』では、肝・腎の病により起こってくることがあげられています。
肝の病・・・肝の疎泄作用が失調→肝うつ→熱化しておこる。主症状ーイライラする・怒りっぽい。
腎の病・・・腎が蔵している精の一部が→化生→「髄の海」→脳を形成する腎精が不足すると起こる。主症状ー健忘・耳鳴り
東洋医学には、刺鍼するという独自のアプローチ法があります。
この「鍼をさす」というアプローチ法がめまいに大きな威力を発揮してくれます。めまいは患者さんにとって、日常生活または仕事をするうえで大きな影響を及ぼすものです。
メニエル病などの耳性めまいやめまい感は鍼灸の適応となります。
当院でのめまいへのアプローチ法一覧
• YNSA(山元式頭鍼療法)
ほとんどのケースでは、YNSA(山元式新頭針療法)をベースに諸症状を改善しています。YNSA(山元式新頭針療法)により導き出されためまいへのアプローチは患者さんにとって非常に有効なものになることと思います。
• 赤羽式知熱感度測定法と皮内鍼治療
12の”経絡のバランス変化”を数値的に捉える測定法は、施術者と患者さんにとって、施術前後の経絡上の変動を数値により共有できるため、客観性を現す方法となります。
経絡機能のアンバランスを測定したあとは、弱っている経絡を興奮させる目的で、”皮内鍼”を使用します。”皮内鍼”は真皮中へわずかに刺し込む方法であり、極く弱い刺激を持続的に与えることができます。
YNSA・皮内鍼治療でつらい症状から改善された当院での実例
数年前にもメニエル病と診断されており、今回も回転性のめまい感で倒れる、めまいに対する恐怖。足踏み試験異常。リンネ検査低下。
赤羽式知熱感度測定法により、腎・膀胱・胃・肝・心包に左右差を認める。該当する背中のツボに皮内鍼5本を刺鍼。YNSAの手順に従い小脳点および眼点、動眼脳神経点・滑車脳神経点に頭皮鍼。2日後に来院の際は、「この2日間めまいは起こらなかった」 との報告をいただく。
以上のようなアプローチ法を組み合わせて鍼灸治療します。東洋医学による治療法は、現代医学的な病名にこだわりなく東洋医学からみた異常所見に従って鍼灸治療します。→めまいでお困りの方は是非ご相談下さい。
参考文献:「東洋医学臨床論」/東洋療法学校協会/医道の日本社