耳鳴りとは?

耳鳴りとは、周囲の音とは無関係に、耳の中や頭の中でさまざまな音(ジー・キーン・ザー・ヒュー・シューなど)が聞こえるように感じる状態をいいます。程度の差はありますが、10〜15%の人が何らかの耳鳴りを経験しているといわれています。

耳鳴りのイメージ画像

耳鳴りの原因

耳鳴り患者さんの多くは難聴、めまい、耳閉感、メニエール病などの耳症状を伴い、耳疾患による耳鳴りが多いとされています。耳以外の障害によっても生じることがあり、脳血管障害、高血圧、貧血、糖尿病、甲状腺腫などの全身疾患、あるいは自律神経系や精神的な要因などによっても耳鳴りは生じます。

耳鳴りの一般的な治療法

最新の現代医学においても耳鳴りがどこで起こっているかは、はっきりとわかっていません。一般に治療のむずかしい病気とされ、根本的な治療はむずかしく、現代の医療では、

▶︎ 抗不安薬、循環改善薬、代謝賦活薬などが処方される、また心理的要因が強い場合には心理療法を行ったりします。

当院での耳鳴りへのアプローチ法一覧

鍼灸の最も効果が期待できる主な対象は(聴力に異常がなく、他の神経症状でもない)無難聴性の耳鳴りではありますが、慢性症例で難聴に伴う耳鳴り(メニエール病、中耳炎後遺症、突発性難聴)にも鍼灸治療は適しており、YNSA(山元式頭鍼療法)、鍼通電、深谷式お灸法のようなアプローチを組み合わせることにより、当院では自覚的な耳鳴りの改善が見られるケースが多くあります。

• YNSA(山元式頭鍼療法)

「YNSA」は脳を刺激して、中枢神経や脳のさまざまな器官、自律神経や脳神経に大きく働きかけます。よってこれらの症状に、大きな効果をもたらすことがはっきりとわかります。

「YNSA」では、手や足など体の部位とつながる【基本点】、額にある目、鼻、耳、口につながる【感覚点】、大脳や小脳、脳幹とつながる【脳点】、心臓、胃、肝臓といった内臓につながる【Y点】、視覚や嗅覚、聴覚などの感覚や顔面の筋肉をコントロールする視神経や三叉神経、顔面神経などにつながる【12脳神経点】などを用い、さまざまな症状にアプローチします。

※YNSA(山元式頭鍼療法)のTinnitus Combination「耳鳴り治療点」は耳鳴り・難聴を訴えられる患者さんに必ず使用する側頭部の左右合計8点の特殊なツボになりますが、耳鳴りの自覚的な軽減におおきな効果が期待できます。

• 鍼通電

脊髄性の鎮痛の目的のための鍼通電。少し専門用語となりますが、「疼痛局所をさすると痛みが止まる」といったAβ線維を介したゲートコントロールに基づく脊髄性の鎮痛機序を賦活します。

脳性の鎮痛の目的のための鍼通電。脳を活性化するために手や足に2Hz〜10Hzの鍼通電を行い、痛みに関連した線維を興奮させます。下行性疼痛抑制系を賦活する手や足などの遠隔部への鍼治療。

• 平田式十二反応帯

平田式内蔵十二反応帯により脊髄レベル(脊髄・内臓)の鍼治療を進めます。

電位的な異常をともなう障害分節(デルマトーム)へセラミック電気温灸器・使い捨てはり、円皮針などを使用し、脊髄性の鎮痛を図ります。

平田式十二反応帯
• 深谷式お灸法

このお灸のツボ「窮陰穴」は、耳鳴り・難聴に用いられます。

耳を横に半折して、その頂点の「窮陰穴」に灸治療。

※取穴図を掲載するにあたり「お灸で病気を治した話」鍼灸之世界社/発行者・新間英雄先生にイラスト掲載許可をいただいております。

以上のようなアプローチ法を組み合わせて鍼灸治療します。東洋医学による治療法は、現代医学的な病名にこだわりなく東洋医学からみた異常所見に従って鍼灸治療します。耳鳴りの問題でお困りの方は是非ご相談下さい。

参考文献) 福島雅典『メルクマニュアル医学百科』日経BP社